平凡日誌

Webショップ「平凡」店主の日々の記録です。

急に涼しくて困る

先日の記憶に残った出来事

 

ふらり立ちよったコンビニ。昼前の静かな時間。レジには、ちょっとよれっとした、普段は工事現場の交通整理をしていそうな風貌の、おじいさん寄りのおじさんが買い物をしている。

おじさん「実はねぇ、東京に行くことになって、ここに来るのも今日が最後なんだよ」

レジの女の人「えっ!そうなんですか?あ~、なんだか寂しくなっちゃいますねぇ…」

会話を遮りたくなくて、お菓子を選んでるふりをしてしばらく待つ私。「ありがとね~」「ありがとうございました!」と、別れていくおじさんと店員さん。

お会計をして外に出ると、おじさんは灰皿の場所でポケットから煙草を出す所。私は車に乗り込みながら、おじさんの姿を見る。ライターで煙草に火をつけて、ぼんやり遠くを見ながら煙を吸うおじさん。

おじさんの人生。店員さんの人生。私の人生。いつかは世界からいなくなる皆。何事もなければ、きっと一番先にいなくなるのはおじさんだ。小さい人間が、小さいことを積み重ねて年を取る。出会っては別れる。ひっそりと消えていく。

一瞬の出来事だったけど、煙草を吸うおじさんの姿が私の中に残った。日常の中に転がっている、透明な、綺麗な、食べ物。