平凡日誌

Webショップ「平凡」店主の日々の記録です。

雪予報

最近、全く旅に出ていない。富士吉田も奈良も岩手も、最後に行ったのは何年前か。

初めて1人で富士吉田に行ったのは2008年か2009年ぐらいで、その頃は免許を取っていなかったので電車を乗り継いで辿り着いた。辿り着いたはいいが思いの外駅周辺には何もなく、店もなく、駅から脇に入った寂れたビジネスホテルに1人で泊まった記憶がある。飲食店も何もなく、遠くのコンビニまで真っ暗になった通りを怖くて駆け足になりながら夕御飯を買いに行った。

目的地だったと思う忠霊塔もたまに散歩やランニングの人が来るぐらいで誰もおらず、目の前にドーンとそびえる富士山を、木のベンチに座り何時間も日が暮れるまでぼーっと見た。ただそれだけの旅。

その後毎年のようにそのベンチに座りに旅に出た。その度に店が増え、駅が綺麗になり、寂れた店はなくなり、人がだんだん増え、最後に行った時は忠霊塔の公園はガイドブックにでも載ったのか、外国人で溢れかえっていた。

でも、いつものベンチは、いつでも私を待っていたかのようにそこにあり、いつもその場所だけ誰もいない。ベンチに座ると、生えている木々があぁよく来たねと風に揺れながらそっと側にいてくれる。そしていつもの通り、何時間もそこで私は富士山と会話をする。

中宮寺弥勒様、富士山、羅須地人協会は、私の三大心の故郷。そろそろ弥勒様に近況報告しに行かないと。あんただいぶご無沙汰だけど相変わらず煩悩でいっぱいだねぇ、と笑ってくれそうだ。