平凡日誌

Webショップ「平凡」店主の日々の記録です。

雨の日の妄想

コンクリートでできた小部屋。瓶のコーラを出している、何かのお店。建て付けの悪いガラス張りの引戸は開けっ放し。

夕方に下校途中の小学生達が店の前を通る。適当な椅子に座って外を眺める私は、子供達に少し怖がられている。愛想笑いなんかしないし、調子のってうるさいと怒られるから。

でも、三年生の友子ちゃんとはお友達。ある日店の軒先で寝転がってる野良猫を静かに撫でていた。私も一緒に猫を撫でてからの仲。

友子ちゃんはたまにうちの店で宿題をやっていく。学校が嫌いだった私はたいして教えられる事もなく、好きな音楽を流して友子ちゃんに小さなクッキーを出す。

その日学校であったことを好き勝手に話をして、私も好き勝手なことを話して、向こうの角まで一緒に歩いて、じゃあまた明日と手を振って別れる。

休みの日にはお母さんと一緒に来ることもある。そんな時はいつもの友子ちゃんとは違う感じでなんだか面白い。お母さんと来るときはいつもプリンを食べる。美味しそうに食べる。

友子ちゃんが結婚してもしも子供が生まれたりしたら、私はその時まで生きているんだろうか。そんなことを考える。瓶のコーラは五年生になったら出そう。そんなことを考える。今日は雨でちょっと寒いから、温かい膝掛けを渡そう。そんなことを考える。

 

…そんなことを考えた雨の夕方。