平凡日誌

Webショップ「平凡」店主の日々の記録です。

暖かい

友人に誘ってもらいとあるライブを見に郡山へ。せっかくなので一泊。

友人達と別れ、夕御飯をとある駅前の老舗の洋食屋で食べることにする。店に入るとカウンターがほぼ埋まっていて、一番隅っこの席へ座る。

隣の常連さんが、店主の老夫婦と健康第一の話をしている声をBGMにしながらビールを飲みつつ定食を頂く。途中子連れ客の来店を断りつつ、ゆる~い時間が流れる店内。そんなこんなしてるうちに周りが皆帰り、私だけになる。

少し前からキリンラガーの中瓶をぐびぐび飲み始めていた店主のおじいちゃんが、新聞片手におもむろにテレビのチャンネルをかえる。年始にやる予定だったけど地震のため放送されなかったお正月の演歌?懐メロ?番組が流れる。おじいちゃんはテレビのボリュームをあげ、「明けましておめでとうございます~」という季節外れのご挨拶がカウンターの上を駆け抜ける。

もっと近くで見なよ、というおばあちゃんの謎の声かけにより、もう食べ終わって帰ろうとした私は席を移動し、テレビの目の前に座り田原俊彦の歌を聴く。トシちゃん老けたがダンスのキレはすごいぞ。

やっぱり紅白よりこういう歌番組のがいいですよねぇ~紅白はうるさくって、などと話ながらなんとなくテレビを見ていると、常連の若い男性客が入ってきた。

ゆっくりしていて大丈夫だよとおじいちゃんは言ってくれたけれど、お客さんがおじいちゃん達と楽しげに話しはじめたし、追加ビールは飲みすぎなのでお会計をして帰る。

短かったけど、なんだかとてもいい時間だった。自分の祖父母にしては若いし、親にしては年取ってる二人だったけれど、親戚んちに遊びに来たみたいでとても暖かい気持ちになった。この店に来るためだけに、郡山にまた来たい。やっぱり私はこういう店が好きだな。