平凡日誌

Webショップ「平凡」店主の日々の記録です。

午後から急に夏

隣の家の人が引っ越した。

ここで生まれ育ったのであろう、自分の親ぐらいの年のご夫婦とおばあちゃん。そのおばあちゃんの姿が見えなくなったなぁと思っていた矢先、急に引っ越してしまった。

今日、仕事から帰りだらだらしていたら、隣の家から「こんにちは~」と声が聞こえた。来客のようで見てみると、少し離れた家のおばあちゃんが一人で来ていた。

引っ越してしまったんですよ、と伝えたら、隣の家のおばあちゃんと実家が近所同士だったらしい。おばさんもいないんだね、何処に行ってしまったんだろうね、と言って帰っていった。

こうして、土地の記憶はなくなっていくんだろうか。記憶を分かち合える人がいなくなる。若い頃の自分を知る人がいなくなる。次々と家が建ち、見知らぬ人が増え、話せる人がいなくなる。

きっと近所同士のあれこれもあっただろう。面倒なことだって山ほどある。仲良さそうなご近所が、裏では罵り合いなんてよくあることだ。そして、土地に縛られず生活できることはとても自由で素晴らしいものだし、数年ごとに隣人が変わることにいい気持ちはしない。

でも、それでも、これはいいことなんだろうか。なんだかよく分からない。生きるってなんだろう。

皆も私も、どこへ向かっているんだろう。濁流の中で、自分の意思は力を持てるものなのだろうか。

神様、皆の悲しみや寂しさをできるだけ減らして、喜びや楽しさを少しでも多く与えてください。よろしくお願いします。