平凡日誌

Webショップ「平凡」店主の日々の記録です。

風が気持ちいい

私が住んでいる町は、今が永遠に続くかのように全力で開発しまくっている土地である。

意味のない土地はすぐ欲望に目をつけられ、木は切り倒され土はほじくり返されて、一瞬で家が建つ。本当に一瞬で。そして住宅地という意味が勝手につけられる。

ただの四角い箱を積み重ねて、一瞬で家ができる。意味のなさを埋めるように、四角い箱がひしめき合っている。

家は箱なんだろうか。箱ではなかったはずだ。屋根はどこにいった。庭はどこにいった。太い柱はどこにいった。
家を箱だと思った愚かな人間が、こんな世の中を作ったのか。家は私達を守る大きな生き物だったはずだ。全ては箱になってしまったのか。

永遠に作られ続ける箱を見て、人口は増加してるのか減少してるのか混乱すると共に、これはお墓だ、と思う。

家の形をしたお墓。生きながらに自分の墓を立て墓の中で暮らす人々。
そんな所に暮らすなら、いっそ本物の墓に入った方がましだ。

人間はいったい、何処へ向かってるんだろうか。