平凡日誌

Webショップ「平凡」店主の日々の記録です。

暑くて朦朧としながら考えたこと

もはや過去世となった時代の話。
数年前まで私は、常に革靴はピカピカであれ!という世界に生きていた。

その時はそれが私の世界の常識だったんだけど、そこから離れて五年が経ち思い出した。自分の元々の性質はピカピカの革靴ではなく、ボロボロのCONVERSEだったことを。

窮屈な学校生活に別れを告げ、絵を描くために東京へと飛び出した18歳。理由は何でもよかった。やっと私が私として世界に飛び出した時。

一足の真っ白いCONVERSEを履き続けた。泥と絵の具と穴だらけでボロボロになったその靴が、私らしくてずっと履いていた。
穴から靴下見えたって、底が擦りきれて水がしみたって、みっともないと思われたって構わなかった。私はそのスニーカーが大好きだった。そのボロボロさが、私だった。友達からはまだ履いてるの?と愛を持って笑われて、それも褒められたみたいで言われる度に誇らしかった。

今世の中の、前世の前世。
傷だらけ、ボロだらけ、穴だらけ。そんなのも全部、私。全部誇らしく世界に見せて生きる。ボロボロのCONVERSEは、窮屈な世界を耐え抜いてきた私の象徴だった。幼い私の、世界に対する全力の反抗。

しかし、2022年の私は、ボロボロのCONVERSEだけではない世界も知っている。ピカピカの革靴で全力で走り抜いて、今に至り、そして、靴なんて脱ぎ捨てて、裸足が最高だと思っている。
ということは、なんだ、今の自分が最強じゃないか。

…と、思った話。